※解説画像はMicrosoft365を使用していますが、他バージョンのExcelでも共通の内容です。
セルに入力した文字や数値を括弧でくくりたい･･･例えば、a b を (a)(b)、1 2 を(1)(2)というようにしたい時はどうしていますか？
もちろん見た目通りにひとつひとつ入力していっても良いのですが、始め括弧と終わり括弧を毎回打つのも手間がかかりますし、人の手で全部やろうとするとついうっかり半角括弧と全角括弧が混ざっちゃった･･･なんて事も起こりえます。
また、アルファベットの一部は括弧でくくるとオートコレクトの自動修正機能が働いて勝手に別の文字に変わってしまう場合があります。(c)と入力してEnterを押すと©（コピーライト記号）に変わってしまうのに悩まされた経験をお持ちの方も少なくないはず。
こういった問題を回避するのにおすすめなのが、括弧を「表示形式」でつけてしまう方法です。文字や数値を入力したあとで『あ、括弧くくりにすればよかった･･･』と気が変わった場合もわざわざ入れ直しする必要もありません。
この回では、「数値以外の文字列に括弧をつける」ケースと、「数値に括弧をつける」ケースを解説しますので、入力されている内容に合わせて設定してみてください。
文字（数値以外）に表示形式で括弧をつける
まずは、括弧でくくりたいものが「数値以外の文字列」だった場合を想定してやってみましょう。括弧をつけたい文字列が入力されたセル範囲をドラッグして選択します。
選択した範囲上にマウスポインターを置いた状態で右クリックすると、コンテキストメニュー（右クリックメニュー）が表示されますので、その中にある「セルの書式設定」をクリックします。（右クリックがやりづらい場合は[ホーム]タブの数値グループにあるダイアログボックス起動ツールをクリックしてください）
「セルの書式設定」が「表示形式」タブが選択された状態で開いたら。「分類」で「ユーザー定義」をクリックします。続けてウィンドウ右側の「種類」のすぐ下にある白抜きボックスを1回クリックして「G/標準」の文字を削除し、そこに半角で(@)＜始め括弧、アットマーク、閉じ括弧＞と入力します。
入れ終わったら[OK]をクリックしてダイアログボックスを閉じます。
選択していた範囲の文字列が( )でくくられました。(c)は普通に入力するとコピーライト記号に変わってしましますが、表示形式で括弧をつけた場合はセルに入力された文字は「c」だけなので、自動修正の対象にはなりません。
表示形式の設定で使用した@（アットマーク）は「セルに入力された任意の文字列」を表す記号です。つまり、この表示形式は「始め括弧の次にセルに入力した文字を表示し、続けて終わり括弧を表示する」という意味になります。
例題では半角の丸括弧を使いましたが、もし全角で括弧を入れたい場合は始め括弧と終わり括弧それぞれの前後に「”」（ダブルクォーテーション）をつける必要があります。「”」をつけないと、確定したと同時に強制的に半角に変更されます。
括弧を全角で表示したい場合の設定例： “（”@”）”
丸括弧以外の括弧も指定できますが、Excelで特殊な意味を持つ一部の括弧･･･例えば大括弧 [ ] を使い[@]を設定しようとすると、「入力した表示形式は使用できません」というエラーメッセージが出ます。その場合は、先の全角括弧を使用する時と同じように始め括弧と終わり括弧それぞれの前後に「”」をつけると入れられるようになります。
そのままでは使用できない括弧の設定例： “[“@”]”
数値に表示形式で括弧をつける
次は、数値（もしくは結果を数値で返す数式）に括弧をつけてみます。
基本的な操作手順は、「括弧をつけたい数値が入力されている範囲を選択」⇒「選択範囲上で右クリックしセルの書式設定をクリック」⇒「セルの表示形式を開く」 ここまでは前項と一緒です。
数値に括弧をつけたい時は、「種類」に@ではなく#もしくは0を入れるようにします。
数値に括弧をつける場合の設定例： (#) もしくは (0)
(#)と(0)のどちらを使うかは、ゼロ値を表示するか非表示するかで使い分けます。
表示形式を(#)とすると、セルに「0」が入力された場合は0が非表示になり括弧だけが表示されます。
一方、(0)にすると「0」が入力されても(0)とそのまま表示されます。
(#,##0)と設定すると桁区切りを入れつつ数値に括弧をつけることもできますよ！
※セルに入力した値が数値と数値以外の文字や記号が混在している状態（例えば「12345-5」「a0852」など）であれば、その値は数値ではなく文字列扱いとなりますので(@)で問題ありません。
表示形式を元に戻す
「やっぱり括弧つけるのやめたい」という時は、ユーザー定義の表示形式に変更したセル範囲を選択し、[ホーム]タブの数値グループにあるドロップダウンリストを開いて「標準」や「数値」など元の表示形式を選択し直せばすぐに戻せます。
解除が簡単なのも表示形式のいいところです。色々な場面で活用してみてください。
