書式・表示形式

【Excel】条件付き書式で行を塗りつぶしたい

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条件付き書式 行の塗りつぶし タイトル画像

Excel(エクセル)の条件付き書式には様々な条件を簡単に作成できる組み込みのメニューがたくさんありますので普段から活用されている方も多いと思いますが、「セルの強調表示」にある「指定の値より大きい」~「重複する値」の各ボタンから設定できるのは、条件判定する値が入力された「セル」を強調表示する時に限られます。

今回のお題は、そこからもう1段階ステップアップした「セルだけじゃなく、そのセルが含まれる行に書式を適用したい」という時の設定のコツです。チャレンジしていても何だかうまくいかない・・・という方は参考にしてみてください。ポイントは、条件式の絶対参照の置き所です。

※解説画像はMicrosoft365のExcelを使用しています

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条件付き書式を適用する範囲を選択する

それでは実際にやってみましょう。こちらの表を使って、点数が70に満たない行を赤く塗りつぶすという条件付き書式を設定します。

氏名と点数が入力された表

まず、表の見出し部分を除き、条件付き書式を適用したい範囲(条件判定する値が入力された列も含め、塗りつぶししたい範囲すべて)をドラッグして選択します。

この表のように順当に範囲の先頭(B3)から終端(C7)に向かってドラッグした場合は、カーソルは先頭位置のB3に置かれます。このカーソルの位置は後ほど数式を作る時に関わってくる部分なので、もし逆方向からドラッグした時はTabキーを押して先頭位置にカーソルを移動しておいた方がわかりやすくなると思います。

見出しを除く表全体を選択したところ

条件式を作成する

範囲が選択できたら、続けて[ホーム]タブ⇒「条件付き書式」⇒「新しいルール」(もしくはセルの強調表示ルールなどのサブメニューにある「その他のルール」)をクリックします。

新しいルールとその他のルールの位置

新しい書式ルールダイアログボックスが開いたら、ルールの種類から「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックします。

新しい書式ルール ルールの種類

「次の数式を満たす場合に値を書式設定」の下にある数式入力ボックスをクリックしてカーソルを置きます。ここに「C列の点数が70より小さかったら」という条件式を入力していきます。

数式入力ボックスの位置

ここに入れる式は、現在カーソルが置かれているセルに入力されるものであり、他のセルはそこから数式がコピーされる、というイメージで作るのがコツです。コツというより、実際にそのような動きになります。先ほど範囲選択の際に、範囲の先頭にカーソルがあった方がわかりやすいよと申したのはこのためです。

という事で、この例では現在B3にカーソルがありますので、同じ行にある「C3の値が70より小さければ」という条件を作成しましょう。

C3をクリックすると、数式入力ボックスに「=$C$3」のように列記号・行番号の頭に「$」の絶対参照記号がついた状態で入力されます。ここで、この式がB3以外の他の範囲にコピーされた場合、どの位置で固定すればすべてのセルに正しく書式が適用されるか考えてみましょう。

条件判定の列の先頭セルをクリックしてセル番地を入力

絶対参照の置き方は「数式コピー」した時のイメージで考えよう

B3に「=$C$3」と列記号・行番号とも絶対参照で固定した式を入れると、B3はC3を参照し、C3は自セルの値を参照するので問題なさそうに見えます。しかしこれでは、その他のセルもすべてC3を参照する事になってしまいますので、本来塗りつぶされるはずの行に書式が適用されなくなってしまいます。

列・行とも絶対参照にした時の参照の動き

では、「=C$3」と行番号だけ絶対参照で固定する式にするとどうでしょう。列が相対参照になっているため、B3はC3を参照しますが、C3は自セルではなく右隣りのD3を参照してしまいます。かつ、行が3行目で固定されてしまっているので、B4~B7もC3を参照し、C4~C7はD3を参照するというますますおかしな事になってしまいます。

行番号を固定した時の参照の動き

ではB3に「=C2」というように列も行も相対参照にして式を入れるとどうなるか。B列は同じ行のC列の値を参照しますので70より小さい値が入力されている行は塗りつぶしの書式が適用されますが、C列は自セルではなく隣のD列の値を参照しますので、結果、C3~C7は「参照先の値が空白(70より小さい)」と判定されすべてのセルに塗りつぶしが適用されてしまいます。

絶対参照を外した時の参照の動き

という事で、ここは「=$C2」のように列記号だけを絶対参照で固定するのが正解です。こうすると、式を縦にコピーした場合、B3はC3、B4はC4・・・というように正しく同一行にあるC列の値を参照し、C列も右隣りに動くことなくC3、C4、C5とすべて自セルの値を参照するようになります。

では先ほどの数値ボックスに戻り、F4キーで絶対参照記号の位置を変更しましょう。列の頭だけにつけるのでF4を2回押します。

絶対参照記号を列だけにつける

続けて70より小さいを表す「<70」という不等式をつけ加え、「=$C3<70」という式にします。これで数式は完成です。

はにわ先生
はにわ先生

不等式がよくわからない・・・という方は、
【Excel】関数や条件付き書式で使える等号・不等号の回も参考にしてください。

あとは数式入力ボックスの下にある[書式]ボタンをクリックし、「セルの書式設定」ダイアログボックスで好みの書式を設定しましょう。(ここでは[塗りつぶし]タブから赤の塗りつぶし色だけ設定します)
書式設定が終わったら[OK]をクリックしダイアログボックスを閉じます。

「新しい書式ルール」ダイアログボックスに戻りますので、そこも[OK]をクリックして閉じます。C列が70より小さい行に書式が適用されました。

条件を満たした行全体が塗りつぶされたところ

行の塗りつぶしがうまくいかないというケースは、数式の参照の置き方を誤っているのが原因である事が多いです。今回の例では2列しかない小さな表を使いましたが、列数のもっと多い表でも手順や考え方は一緒ですので、お手持ちの表を使って試してみてください。

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